海外の展示会に参加することは、新しい市場を開拓し、国際的なビジネスチャンスを広げる絶好の機会です。しかし、単に展示会に出展するだけでは不十分です。現地の商流を理解し、現地の言葉で営業できる人材を確保することが成功の鍵となります。ここでは、日本から中国の展示会に出展する場合と、中国から日本の展示会に出展する場合の具体的な事例を紹介します。
日本企業、中国展示会での成功事例
中国紹興市の紹興酒展示会に参加した日本の酒メーカーの事例です。中国人の営業担当者を雇用していたメーカーは、中国人バイヤーに対して効果的に営業を行い、試飲を通じて多くのビジネスチャンスを掴むことができました。中国語で流暢に商品の特徴や利点を説明できる営業担当者がいることで、バイヤーとの信頼関係を築きやすくなります。
また、茶器などの陶器を紹介しているブースでは、QRコードを用意し、さらに中国人の営業担当者を配置することで、その場での販売に繋げる工夫もしていました。
一方で、日本語しか話せないスタッフしかいないメーカーは、試飲で人を集めることができても、実際の営業トークができずにビジネスチャンスを逃していました。この差は大きく、展示会での成果に直結します。
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中国企業、日本展示会での失敗事例
日本のファッション展示会に参加した中国ボタンメーカーの事例です。このメーカーは通訳者を1人用意していましたが、その通訳者は、日本語を話すことには全く問題のないレベルですが、商品知識が不足しており来場客からの質問に対してメーカーの担当者に確認を取る必要がありました。その結果、スムーズな対応ができず、来場客をさばききれない状況に陥っていました。
さらに、ある日本人客が購入できるサイトについて質問した際、中国語と英語に対応したサイトを提示しました。しかし、日本国内の商流では日本語対応のサイトが基本であり、この点でもビジネスチャンスを逃してしまいました。日本市場においては、日本語のウェブサイトや販路を整備することが不可欠です。
結論
海外展示会で成功するためには、現地の商流を理解し、現地の言葉で営業できる人材を確保することが重要です。言葉の壁を乗り越え、現地の文化やビジネス習慣に適応することで、ビジネスチャンスを最大限に活かすことができます。今回の事例から学び、次回の展示会に向けて準備を進めましょう。
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